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うわべだけの平静…20日、独立10年
(以下引用)
21世紀最初の独立国として2002年5月に誕生した東ティモールは20日、インドネシアからの独立10周年を迎える。首都ディリでは記念式典の準備が進 むが、インドネシア国軍に加担して独立派住民を虐殺した民兵ら加害者への処罰は、「和解」の名の下に放置され、社会に暗い影を落としている。
◇元民兵と独立派に溝
首都ディリから西に車で約1時間。独立運動が盛んだったリキシャでは、加害者の元民兵と被害者が一見平和に暮らしている。
「犯罪行為には一切関与していないし、今は住民にも受け入れられている」と、元民兵のミゲル・ド・サントスさん(54)は話す。
インドネシア国軍と民兵は、1999年8月の独立の是非を問う住民投票の前後、東ティモール全土で独立派の住民約1400人を殺害。リキシャでも同年4月、迫害を恐れて教会に避難していた住民が襲われ、少なくとも54人が殺害された。
住民投票で独立派が勝利するとインドネシア国軍が撤退。報復を恐れた民兵は隣国インドネシア領西ティモールに逃げた。サントスさんも家族と共に逃げたが、00年に故郷に戻った。リキシャ出身の約400人の民兵のうち、約300人が帰国したといわれる。
サントスさんは帰国直後、住民に殴られたというが「今は差別もない」と繰り返す。そして、「強制的に民兵にされた私たちも被害者だ。誰もインドネシア軍 に逆らえなかった」と強調する。しかし、平静を装う住民は、過去の民兵の行為を忘れない。教会襲撃事件の起きた4月6日には毎年、サントスさんら元民兵の 家が投石される。
サントスさんの家からバイクで2、3分の所に住む主婦、エリサ・ダ・シルバさん(41)は教会襲撃事件で、生き別れた夫を今も捜し続ける。夫は一緒に避難していた教会で、民兵に連行されたまま戻らない。「独立から10年。正義は全く実現されていない」と憤る。
インドネシア政府は02年、虐殺事件を裁く人権特別法廷を設置。国軍幹部ら18人を起訴したが全員が無罪になった。
東ティモールは独立後も食料品や生活必需品の多くをインドネシアからの輸入に依存。同国との友好関係を重視する歴代首脳は加害者への「許しと和解」の重要性を繰り返し、責任追及は放置された状態が続いている。